サスティナブルなカーテン生地の選び方とおすすめ素材

1. はじめにサスティナブルとは?
1-1. 「サスティナブル」とは?環境に優しい生地選びの基準
「サスティナブル(Sustainable)」とは、持続可能なという意味の言葉で、近年では地球環境や人々の暮らしに配慮したライフスタイルを表すキーワードとして広く使われています。とくに衣類やインテリアなど日常生活に身近な分野では、「自然環境を守りながら、長く使えるものを選ぶ」ことが求められています。
1-2. サスティナブルなカーテンが求められる理由(環境負荷・健康面など)
カーテンは、部屋の雰囲気を左右するインテリアアイテムであると同時に、日々の生活空間に密接に関わる存在です。だからこそ、素材選びにおいても「見た目」や「価格」だけでなく、「環境への配慮」や「健康への影響」が重要視されるようになってきました。
2.サスティナブルなカーテン生地の種類と特徴
2-1. 天然素材のカーテン生地(自然由来で環境負荷が少ない)
サスティナブルな暮らしを意識するうえで、カーテンに天然素材を選ぶというのは非常に効果的な選択です。天然素材は自然由来で再生可能、しかも生分解性があるため、廃棄時の環境負荷も少なく、まさに「地球にやさしい」素材と言えます。ここでは、代表的な天然素材のカーテン生地とその特徴を紹介します。
■リネン |
特徴:通気性・吸湿性が高く、清涼感ある肌ざわり |
メリット:自然な風合いと光をやさしく通す透け感が人気。 |
■コットン(綿) |
特徴:柔らかくて親しみやすい肌ざわり。ナチュラルな見た目で多くのインテリアに調和。 |
メリット:扱いやすく、洗濯もしやすい。遮光性や保温性を持たせた厚手タイプも多い。 |
環境面:オーガニックコットンを選べば、化学肥料や農薬を極力使わずに栽培されており、よりサスティナブル。 |
■ラミー(苧麻) |
特徴:リネンに似た風合いを持ちながら、よりシャリ感とハリ感が強いのが特徴。 |
メリット:通気性・速乾性に優れ、特に夏場のレースカーテンや軽やかなドレープにぴったり。 |
環境面:丈夫で長持ちする素材のため、買い替えの頻度を抑えられる=資源節約につながります。 |
■ヘンプ(大麻) |
特徴:素朴でナチュラルな風合い。耐久性が高く、抗菌性・防臭性にも優れています。 |
メリット:強度がありながら柔軟性もあり、しなやかなドレープが楽しめます。 |
環境面:成長が早く、農薬や化学肥料をほとんど使わずに栽培可能。地球への負担が非常に少ない素材として注目されています。 |
天然素材のカーテン生地は、見た目のナチュラル感はもちろん、機能性や耐久性にも優れています。「環境に配慮しながら、心地よい暮らしをしたい」という方には、ぴったりの選択肢です。 |

2-2. リサイクルポリエステルのカーテン生地(ペットボトル再生繊維など)
環境に配慮したカーテン生地は天然素材だけではありません。近年注目されているのが、リサイクルポリエステルを使用したカーテンです。これは、使用済みペットボトルや廃棄されたポリエステル繊維を再利用して作られた素材で、サスティナブルな選択肢の一つとして人気が高まっています。
■ リサイクルポリエステルとは? |
ポリエステルは、石油由来の合成繊維ですが、その反面、丈夫で長持ちし、加工性に優れるというメリットがあります。リサイクルポリエステルは、そうしたポリエステルの利点を活かしながら、廃棄物を資源として再利用することで環境負荷を軽減した素材です。 |
リサイクルポリエステルは、機能性とエコの両立を目指す方におすすめのカーテン生地です。「見た目や使い勝手を妥協したくないけど、環境には配慮したい」というニーズに、しっかり応えてくれる素材です。 |

3.サスティナブルなカーテンの選び方
3-1.素材感で選ぶ(ナチュラルな風合いが好きな人向け)
「部屋にあたたかみを出したい」「自然のやさしさを感じる空間にしたい」──そんな方におすすめなのが、素材感にこだわったサスティナブルなカーテン選びです。環境にやさしいカーテン生地の中には、見た目にも肌ざわりにも“自然”を感じられる素材が豊富にそろっています。ここでは、ナチュラルな風合いを楽しみたい方にぴったりの素材を紹介します。
■ リネン(麻):空間にやさしい抜け感をプラス |
リネンのカーテンは、透け感とシャリ感のバランスが絶妙で、ナチュラル系インテリアと好相性。窓から入る光が柔らかく拡散され、まるで森の中にいるような落ち着いた空気を演出します。植物や木製家具との相性も◎。 |
■ コットン:素朴であたたかみのある定番素材 |
コットンは、優しい肌ざわりと自然なドレープ感が特徴。無地でも表情があり、どんな部屋にも馴染みやすいのが魅力です。生成りや淡いカラーを選ぶと、素朴な中にも品のある印象に仕上がります。 |
■ ヘンプ・ラミー:素朴で繊細な表情が魅力 |
ヘンプやラミーは、やや粗めの繊維感が個性的で、インテリアのアクセントにもなります。どこか「素朴だけど洗練された」印象を与えるため、シンプルだけどこだわりのある空間づくりにぴったりです。 |
3-2. 耐久性で選ぶ(長く使えて環境負荷を減らす)
サスティナブルな暮らしを実現するためには、「長く使えるモノを選ぶ」ことがとても大切です。耐久性の高いカーテンを選べば、買い替え頻度を減らせるだけでなく、製造・輸送・廃棄といった一連の環境負荷をトータルで削減することにもつながります。
■ 丈夫な天然素材を選ぶ |
天然素材=繊細と思われがちですが、実は非常に強度の高い繊維も存在します。 |
ヘンプ(大麻):繊維がとても強靭で、摩耗や引っ張りにも強いのが特長。昔からロープや帆布に使われてきたほどの耐久性があります。洗濯にも強く、長年使ってもくたびれにくい素材です。 |
ラミー(苧麻):リネンよりもさらにシャリ感があり、型崩れしにくく、張りのある質感。しっかりとした織りの生地を選べば、型くずれしにくく長持ちします。 |
オーガニックコットン(高密度織り):適度な厚みと密度のある織り方のものを選べば、コットンでも十分に長期間使用可能です。 |
3-3. 機能性で選ぶ(遮熱・UVカットなどの性能とエコの両立)
サスティナブルなカーテン選びでは「素材が環境にやさしいか」だけでなく、「機能性が生活のエコにつながるか」という視点も大切です。「ヘンプ(大麻)」は、自然素材の中でも繊維が太く、密度が高く、遮光性や通気性に優れた素材です。実はこの特徴が、遮熱性にもつながっていることをご存じでしょうか?太くて密な繊維構造により、直射日光をしっかり遮る。熱がこもりにくく、風を通す通気性があるため、夏でもこもらない快適さがある。天然素材の中では比較的ハリがあり、断熱性にも効果的です。
4.まとめ:サスティナブルなカーテンで暮らしを豊かに
4-1.環境に優しい選択が、快適な暮らしにつながる
サスティナブルなカーテン生地を選ぶということは、地球の未来を考えるやさしい選択であると同時に、自分自身の暮らしを快適に整える行動でもあります。「環境のためにガマンする」のではなく、自然と調和した素材や、機能性の高いエコ生地を取り入れることで、毎日の暮らしがより心地よくなる──そんな好循環が生まれるのです。素材のやさしさが、空間と心にやさしさをくれる。リネンやコットン、ヘンプといった天然素材のカーテンは、**肌ざわり・風合い・光の透け方すべてにおいて、人工的な素材にはない「ぬくもり」があります。ナチュラルなカーテンに囲まれた空間は、自然の中にいるようなリラックス感があり、ストレスの軽減や、丁寧な暮らしへの意識の高まりにもつながります。 長く愛せるものを選ぶ喜び、サスティナブルなカーテンは、素材の背景や物語に共感できる点も魅力のひとつ。「ただのインテリア」ではなく、「地球や未来につながる選択肢」として、自分の価値観にフィットした暮らしを支える存在になります。耐久性があり、飽きのこないデザインや素材感を選べば、長く愛着を持って使えるインテリアに。使い捨ての消費から卒業し、「大切に使う」喜びを感じられる暮らしが、心のゆとりにもつながります。
